琵琶湖のほとり、滋賀県近江八幡市にある「姨綺耶山 長命寺」。
聖徳太子が開基したと伝わる古刹は、西国三十三所第31番札所。健康長寿、無病息災のご利益をいただけることから、山麓から808段もの石段があるにも関わらず、参詣者で賑わっています。
石段を登りつめると、美しい建造物や巨石、琵琶湖の絶景が、まるでご褒美のように待っている関西最強の健康長寿のパワースポット『長命寺』。その成り立ち、ご利益、みどころ、アクセスなどを、詳しくご紹介します。
長命寺の成り立ち・由緒
滋賀県近江八幡市の北西端、長命寺山 (333m)の標高約250mの山腹にある寺院、「姨綺耶山 長命寺 」。
御本尊は、千手観音、十一面観音、聖観音(しょうかんのん)。聖徳太子の開基と伝わります。
「八千年や柳に長き命寺 運ぶ歩みのかざしなるらん」とご詠歌にあるように、ご利益は健康長寿、無病息災。西国三十三カ所第31番札所です。
第12代 景行天皇 の時代(4世紀前期〜中期と推定)に、武内宿禰 (たけのうちのすくね ともよむ)がこの山に登り、柳の木に「寿命長遠諸願成就」の文字を彫り、長寿を祈願したところ、300歳の長命を保ったことから始まります。
その後、この地を訪れた聖徳太子が「寿命長遠諸願成就」の文字を見つけ、感銘を受けているところに、白髪の老人が現れ、その木で仏像を彫りこの地に安置するよう告げました。聖徳太子は早速、十一面観音を彫り、推古天皇の時代619年に開基。宿禰の長寿にあやかり、「長命寺」と名付けたと伝わります。
平安時代には、寺院の基盤ができたと考えられており、鎌倉初期には近江守護佐々木定綱 が、三仏堂を建立。本堂、鐘楼、太子堂、護摩堂などの伽藍も建立され、発展します。
1516年に兵火により全焼。現存する伽藍は室町〜江戸時代初期にかけて再建されたものです。
長命寺 公式サイト:なし
・参考サイト:西国三十三所巡礼の旅、滋賀県観光協会
長命寺の御本尊
- 千手観音
- 十一面観音
- 聖観音
✔ 千手十一面聖観世音菩薩三尊一体 と呼ばれており、重要文化財で秘仏。平素は非公開です。
ご利益
健康長寿、無病息災
長命寺の見どころ
参道入口には石碑があり、ここから、808段は始まります。
石段の幅も高さも比較的揃っていますので、登りにくいことはありませんが、延々石段は続きます。体力や脚力にあわせて、ゆっくりお参りしてください。
✔ 階段の中央にはずっと手すりが設置されていますが、心配な方はトレッキングポールなどを用意されてもいいかと思います。
冠木門
8合目駐車場を過ぎ、もう少し階段を登りと、冠木門が現れます。
ここまでくれば、残しりはもうほんの少しです。
三重塔
本殿手前で、石段は二手に分かれます。右に登ると三重塔。
木々に囲まれ、 丹塗 がよく映えます。
創建は1320年と伝わります。その後、火災で消失。現存のものは安土桃山時代の1597年に再建。胎蔵界大日如来像と四天王像が安置されています。
本堂
大永4年(1524年)に再建。ご本尊である千手十一面聖観世音菩薩三尊一体(千手観音、十一面観音、聖観音)が安置されています。
本尊は南向きに安置されているので、南面が本堂正面かと思われますが、本堂への入り口は西面になります。
六処権現影向石
本堂の裏手にある巨石が、伝説の残る巨石群のひとつ「六処権現影向石(ろくしょごんげんようこうせき)」。
天地四方を照らす岩といわれ、長命寺を開山したと伝わる武内宿禰 たけしうちのすくね がここに祈りを捧げ、300歳の長寿を得たと伝わります。
(Photo by Jnn )
三仏堂
佐々木定綱が父親である義秀の菩提を弔うため1184年に建立したのが始まりと伝えられています。
釈迦、弥陀、薬師の三尊を祀っています。
現存の建物は永正13年(1516年)の焼失後、永禄年間に再建と推定されますが、江戸時代1793年に改造されたものです。
右手にあるものが三仏堂は、隣は護法権現社拝殿。拝殿の屋根の奥に見える白っぽいものが巨石 修多羅岩、左奥にあるのが鐘楼。それぞれの建造物の位置関係さえも美しい寺院です。
護法権現社
護法権現社には長命寺を開山したと伝わる武内宿禰 が祀られています。
現存の拝殿は、1565 年建立と言われています。
修多羅岩
「護法権現社」の奥、山の斜面にある巨石が「修多羅岩 」。
修多羅すたらとは、仏教用語で天地開闢、天下太平、子孫繁栄を意味します。長命寺では、開山したと伝わる武内宿禰の御神体とされています。
鐘楼
慶長13年(1608年)に再建。
鐘は琵琶湖の龍神が長命寺の観世音に捧げたとも伝えられています。
中も丹塗の美しい鐘楼です。
妙法行堂
鐘楼の隣にあるのが、妙法行堂。
勝運将軍地蔵尊、智恵文殊菩薩、福徳庚申尊が祀られています。
***
境内を奥(西側)に進むと、太郎坊鳥居が現れます。
美しい丹塗の建造物が並ぶ穏やかで華やかな空間とは異なり、ピンと張り詰めた荘厳な空気が漂います。
太郎坊大権現社や拕柷尼天尊堂は、この先に。太郎坊大権現社へは下からもいけますが、階段の方からがおすすめです。
拕柷尼天尊堂
商売繁盛の仏神である拕柷尼天尊(稲荷大明神)が祀られています。
太郎坊大権現社
境内の最西(最奥)にあるのが、太郎坊大権現社、長命寺の総鎮守です。
祭神である「太郎坊」は、大天狗の名前。長命寺の僧・普門坊が、寺を守護するため大天狗になったといいます。
比叡山延暦寺で厳しい修行の結果、天気を操り、空も自由に飛びまわるなど超人的神がかり的能力を身に付けた後、京都の愛宕山(愛宕神社の総本山)に移り住みました。長命寺を懐かしく思い、巨石を投げ飛ばしたところ、長命寺の境内に突き刺さったのが「飛来石」と伝えられています。
「飛来石」は今も、太郎坊大権現社拝殿奥に突き刺さっており、信仰の対象となっています。
太郎坊大権現社前から見下ろす琵琶湖の景色は絶景です。
右にあるのが、太郎坊大権現社拝殿。
長命寺のお守りや御札 授与品
- 各種お守りや、おみくじ、御朱印は、本堂でいただくことができます
- 授与品はインターネット販売はありません。ご注意ください。
▼お守りが必要な方のあいだで話題の”最強の護符”については、下のサイトが詳しいです。
長命寺の拝観料・行き方・駐車場・開門時間
拝観料
- 参拝には拝観料はかかりません
- ✔ ご本尊は厳重な秘仏とされ、平素は公開されておりません。
参拝時間
- 境内参拝時間:8:00~17:00
- 寺務所(授与所・御朱印):9:00~17:00
所要時間
- 60~120分程度
- 麓から808段の階段を登るには20分程度かかりますが、体力等によりかかる時間がかなり異なります。帰りは、階段を降り続けることになりますので、足腰に相当の負担がかかります。時間には余裕をもっておくことをおすすめします
- 8合目駐車場から、本堂までは5分程度ですが、その途中に三重塔があります
アクセス情報
◆JR東海道線近江八幡駅下車、近江バス[長命寺線]「長命寺行き」又は「国民休暇村行き」に乗車、「長命寺」で下車、約25分
◆名神高速竜王インターよ約8km、約30分
◆彦根方面よりは国道8号線、国道武佐より渡合橋を通り北へ10km
◆山麓より山上迄自動車登山道あり
駐車場
無料
- 参道入口と、8合目駐車場とあります。
- 参道入口に停めた場合には、参道で階段を808段登ります。
- 8合目駐車場からだと、残り150段程度。8合目駐車場までの道路は、道幅も狭く九十九折です。すれ違い時や、急なカーブで、側溝にはまる車も少なからずいるようです。ご注意ください。
一緒にお参りしたいパワースポット
それぞれが離れています。公共交通機関での移動にはそれなりに時間がかかります。電車やバスの時間を事前にご確認ください。
近くおすすめの宿
食事や移動を考慮すると、JR近江八幡駅の近くのホテルがオススメです。
ホテルニューオウミ(ホテルニューオータニ アソシエイト)
JR近江八幡駅北口から徒歩1分!
立体駐車場も無料完備
最寄りのコンビニ・スーパーまで徒歩1分
全てのお部屋に無料の有線LAN、館内には4つの直営レストラン
コンフォートイン近江八幡
JR「近江八幡」駅北口より徒歩約2分、近江鉄道「近江八幡」駅北口より徒歩約2分
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ABホテル近江八幡
近江八幡駅より徒歩にて約2分
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京都市内のおすすめホテル
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