古くから「お多賀さん」の名で親しまれる滋賀県有数のパワースポット「多賀大社」。
日本の国生みをした 伊邪那岐命 と 伊邪那美命 を祀り、「延命長寿・縁結び・厄除け」の神様として、古くから信仰を集めています。
『多賀大社』成り立ち・ご利益・みどころ、アクセスなどを、詳しくご紹介します。
多賀大社の成り立ち・由緒
祭神として 天照大神 の両親であり、日本の国産みをした日本最初の夫婦 伊邪那岐命 と 伊邪那美命 を祀っています。
創建は不詳。
712年編纂の『古事記』には、「伊邪那岐大神者、坐淡海之多賀」とあることから、鎮座は8世紀以前とみられていますが、淡海(近江)は、淡路の誤写との説もあり、定かでありません。
室町時代には、神仏習合が進みます。多賀大社でも神宮寺(神社に附属して建てられた仏教寺院や仏堂)として、不動院を建立。神宮寺配下の僧たちが、お札を配り信仰を広めたこともあり、伊勢詣(伊勢神宮)、熊野詣(熊野三山)とともに、庶民の参詣で大変な賑わいでした。
「お伊勢参らばお多賀へ参れ、お伊勢お多賀の子でござる」は、伊勢神宮祭神の天照大神が伊邪那岐命・伊邪那美命両神の御子であることに由来します。
多賀大社 公式サイト:http://www.tagataisya.or.jp/
多賀大社の御祭神
- 伊邪那岐大神
- 伊邪那美大神
古事記では、日本の国生みをした日本最初の夫婦。
多賀大社のご利益
延命長寿・縁結び・厄除け
境内社(摂社・末社)とご利益
- 日向神社 (式内社):結婚成就
- 子安神社 :安産
- 神明両宮 :国運隆昌
- 夷神社:商業取引円満
- 天満神社:試験合格
- 秋葉神社 :火伏せ
- 愛宕神社:防火
- 竈神社 :家内安全
- 年神神社:五穀豊穣
- 熊野新宮:子授け
- 天神神社:殖産興業
- 熊野神社:厄除け
- 聖神社:病気平癒・薬業繁栄
- 三宮神社 :建築・土木
- 金咲稲荷神社 :商売繁盛
多賀大社の見どころ
度重なる火災や天災で消失するも、その度に再建されてきた多賀大社。
多くの建造物は比較的新しいものですが、大鳥居をくぐると、そり橋、神門、参道、本殿へと一直線に配置され、その華麗さと荘厳さには心を奪われます。
現在の社殿は1932年(昭和7年)に再建。
拝殿から見える、大きなお多賀杓子もみどころのひとつです。
そり橋(太鼓橋)
石づくりの、とても大きなそり橋(太鼓橋)があります。
豊臣秀吉の信仰から「太閤橋」とも呼ばれますが、このそり橋の造営は江戸初期、秀吉没後です。
なお、秀吉は母親の延命を祈願したところ、成就したため、社殿改修に米1万石を奉納。大名に与えるに等しい米の量といいます。現在も残る奥書院庭園が、奉納をもとに築造されたものと言われています。
能舞殿
鳥居をくぐると右手には、荘厳な能舞殿があります。
昭和58年に、解体修理なされたものですが、足を止め見入ってしまう美しさがあります。
お参りした際には、映画『線は、僕を描く』にて湖山先生が描く水墨画のレプリカが展示中でした。
寿命石
平安時代末期、源平合戦で焼失した東大寺の再建を命ぜられた 俊乗坊重源 。当時すでに61歳だった重源は、延命と再建成就の祈願に多賀大社を参詣します。多くの苦難を乗り越え、無事、大仏の開眼供養や大仏殿の再建、総供養を執り行いました。重源は再び多賀大社を参詣し、命を神に返上、傍らの石を枕に亡くなったと伝えられています。1206年、重源は85歳でした。
その、延命祈願にゆかりのある石が「寿命石」。
寿命石の上に、白い小石を置き祈願するとご利益が授かるといわれ、今でも祈りを捧げる人はたえません。
鐘楼(梵鐘)
多賀大社は、お寺ではありませんが、大きな 梵鐘 (釣り鐘)があります。
室町時代後期、1555年に浅井長政らの手によって鋳造されたものといわれ、現存するその時代以前の梵鐘では、4番目の大きさだそうです。
日本固有の神道と、6世紀に大陸から伝来した佛教が融合し、一つの信仰体系となった「神仏習合」が続いていました。江戸時代には、一部の地域で神仏の棲み分けが始まりましたが、明治時代、神道の国教化政策のため、神社から仏教的な要素を排除しようと「神仏分離令」が発せられました。その際に、神社にある仏像や梵鐘などをお寺に渡し、お寺にあるご神体などは神社に渡すことになりました。
多賀大社の梵鐘も、もちろんその対象ですが、あまりの大きさで近隣のお寺で貰い手がなく、そのまま残されたと伝えられています。
見られるのは「鐘楼」ですが、そんな言い伝えを思い出しながら見てみると、感慨深いものがあります。
大釜
徳川幕府からの信仰も厚かった多賀大社は、江戸時代にも大造営や大修復工事が行われました。その際の、遷宮を記念し設けられたと伝わる御湯神事の大釜。
奥書院庭園
秀吉は母親の延命を祈願したところ、成就したため、社殿改修に米1万石を奉納。大名に与えるに等しい米の量といいます。奉納をもとに築造されたと言われ、安土桃山時代の作庭。国指定の名勝になっています。
多賀大社のお守りや御札 授与品
- 神符(おふだ)、木札、各種お守り、御朱印などが授与されます。
- 杓子型の絵馬が人気です
- 御朱印:授与所で書いていただけます
- 多賀大社オリジナルの御朱印帳もあります
お多賀杓子
奈良時代、元正天皇の病気に際し、多賀大社の神主が強飯(こわめし)を炊き、「しでの木」で作った杓子を献上したところ、天皇はたちまち治癒されたと伝えられていることから、多賀大社の「お多賀杓子」は有名で今でも人気です。
インターネット販売
- 授与品は郵送していただけますが、メールや電話での申込です。インターネット販売(オンラインショップ・通販)はありません。
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年中行事
- 歳旦祭:1月1日
皇室の弥栄、国家の平安、氏子崇敬者の繁栄を祈ります。多賀大社の初詣には、毎年約46万人もの人々が訪れ大変賑わいます。 - 翁始式: 1月3日
多賀大社の能始。舞われる曲目が「翁」であることから、「翁始式」と呼ばれています。
天下泰平や五穀豊穣を願い、「翁三番叟」「屋島」「福の神」などの三番が境内の能舞台で奉納されます - 節分祭:2月3日
島根県因原神楽団による「鬼の舞」を奉納し、年男、年女が福豆、福餅をまきます。
「鬼やらい」や「厄落とし」等と呼ばれ、疫病等をもたらす悪い鬼(悪霊)を追い払う儀式です。「追儺(ついな)」と呼ばれ元々は大陸から伝わった風習ですが、平安時代の宮中行事が始まりとされています。 - 紀元祭:2月11日
- 祈年祭 (豊年講春季大祭):3月17日
- 古例大祭:4月22日
鎌倉時代の記録にも現れる多賀大社年間の最重儀。
地元の人々からは「多賀祭り」とも、多数の騎馬の供奉が行われることから「馬まつり」とも呼ばれます。
1月3日の馬頭人・御使殿差定式から始まり、4月28日の神様のお送りまで、いくつもの儀式が行われます。
- 古例大祭当日は、大祭の斎行後、お渡りが出発。その列次は、馬頭人、御使殿を中心に、氏子や崇敬者の騎馬供奉四十数頭、御神輿や御鳳輦の供奉者など実に500名にもおよぶ大行列。いくつかの儀式の後、本社へ向かう「本渡り」が最大の見どころ。
- 御田植祭:6月上旬
本殿にて五穀豊穣を祈り、約70人の 早乙女 に神苗が授与され、神職・早苗司 ・早乙女らが列を整えてご神田へ。ご神田をお清めの後、田植歌と田植踊りに合わせ、早乙女によりご神田へのお田植えが行われます。 夏越の大祓
( 茅の輪くぐり):6月30日
半年のうち知らず知らず身についた罪穢れを祓い清め、残り半年間の無病息災を祈る神事。
大祓詞の奏上、切麻・大麻で全身を祓い清め、罪穢れを人形代(ひとかたしろ)に移します。人形代を河原に流すことで、清々しい心身によみがえります。
茅の輪を三回くぐりると健康と長寿がかなうといわれています。人形代は、多賀大社へ連絡すると、郵送してもらえます。12月にもあります。- 万灯祭:8月3日~5日
8月3日、杉坂山(ご祭神降臨の地)で御神火祭が行われ、浄火(神に捧げる清めた火)が切り出されると、本社に運ばれ、1万灯を超える提灯に明かりが灯され、幻想的な世界が広がります。
万灯祭は祖先の御霊をお護りくださる女神様に感謝を捧げるお祭りです。
- 九月古例祭:9月上旬
毎年9月9日に豊年満作を祈願します。
- 抜穂祭:9月下旬
ご神田にて、抜穂女 が実った稲穂を刈り取る祭。
この稲穂は11月23日の新嘗祭 にお供えされます。
- 多賀講講社大祭:9月下旬
- 献茶式:10月下旬
- 大宮祭:11月中旬
- 新嘗祭 (豊年講秋季大祭):11月23日
- 御煤祓式:12月下旬
- 師走の大祓:12月31日
- 除夜祭:12月31日
多賀大社の拝観料・行き方・駐車場・開門時間
拝観料
- 参拝には拝観料はかかりません
- 奥書院庭園 拝観料 300円
参拝時間
- 境内参拝時間:9:00~17:00
- 寺務所(授与所・御朱印):9:00~17:00
- ご祈祷受付:08:30~16:30 当日申込・予約不要
所要時間
- 30~60分程度
アクセス情報
◆JR彦根駅乗り換え 近江鉄道「多賀大社前」駅下車 徒歩10分
◆名神彦根I.C.から10分
◆名神 湖東三山スマートI.C.から15分
近江鉄道「多賀大社前」駅下車 すると、目の前には、「一の鳥居」が。
多賀大社までは10分ほど歩きます。
駐車場
- 無料
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