宇治駅や平等院側から宇治川を渡ると、「宇治神社」と「宇治上神社」があります。
今回は、世界遺産の「宇治上神社」の成り立ちや、ご利益、兎(うさぎ)とのご縁、見どころやアクセス情報をご紹介します。
宇治上神社の成り立ち
宇治川の東岸、朝日山の山裾に鎮座する、日本最古の本殿がある「宇治上神社(うじがみじんじゃ)」。応神天皇の離宮があったとされる地に、造営されています。創建年代は不詳。
拝殿は鎌倉時代に、日本最古とされる本殿は平安時代の建立で、いずれも国宝に指定。
平成6年(11994)には、ユネスコ世界遺産に登録。
本殿内部は拝観できませんが、中には左殿・中殿・右殿があり、応神天皇、仁徳天皇、菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)の三人の神様が祀られています。一間社流造り(いっけんしゃながれつくり)で、左右の社殿が大きく、中央が小さい珍しい形です。
樹齢300年以上のケヤキや、唯一現存する宇治七名水のひとつ「桐原水」があります。
本殿、拝殿はもとより、摂社春日社、住吉社、香椎社等の社も、長く時を重ね守り続けられてきたことを物語っています。
宇治上神社の御祭神
◉菟道稚郎子(うじのわきいらつこ):左殿
『日本書紀』では「菟道稚郎子」、『古事記』では「宇遅之和紀郎子」と表記。
応神天皇の末の皇子。博識聡明で、父(応神天皇)に寵愛され皇太子になったものの、異母兄の大鷦鷯尊(後の仁徳天皇)に皇位を譲るべく自死したという話で知られています。
・応神天皇:中殿
第15代天皇。菟道稚郎子命の父。
・仁徳天皇:右殿
第16代天皇。菟道稚郎子命の異母兄。
宇治上神社のご利益
満願成就、学問成就、合格祈願、勝負運、病気平癒、良縁
- 菟道稚郎子が、学問に優れた人物であり「学問の神」と崇められているため、学業成就や合格祈願のご利益があると、お守りや御札も人気です。
- 古くには武神の神として信仰されていた応神天皇。次第にあらゆるご利益を祈願できる神様として信仰されるようになり、満願成就のご利益があると人気です。
唯一の宇治七名水「桐原水(きりはらすい)」
かつて、お茶の町宇治には、至る所に名水が湧き出ていました。その中でも、阿弥陀水(あみだすい)、泉殿(いずみどの)、桐原水、法華水(ほっけすい)、高浄水(こうじょうすい)、公文水(くもんすい)そして百夜月井(ももよづきい)は、特に有名で「宇治七名水(うじしちめいすい)」と呼ばれていました。
現在は、「桐原水」以外は枯れてしまいました。平等院内の「法華水」は井戸を再現、他の箇所では石碑が立っています。
その「桐原水」が、こんこんと湧き続けるのが、宇治上神社の手水舎。拝殿の右手にあります。
飲料水としては利用できないため、お参りでは手洗いのみとなりますが、6月1日に神事で行われる「献茶祭」では、この桐原水で煎茶を入れます。
願いが叶う天降石(あもりいし)
拝殿裏手にある「天降石」。「岩神さん」の愛称でも親しまれています。
宇治上神社には、願掛け岩が2つありますが、天降石は本殿東側、摂社春日神社との間にあります。
「神様が降臨する磐座(いわくら)」との説もあり、「落とさずに積むと願いが叶う」とのことで、人気です。
✔ こんもり石が積まれていることもあるようですが、私がお参りした際には天降石はすっきりしていました。
うさぎとのご縁
宇治には「菟道(とどう)」という地名があります。
「莵道」の由来には諸説ありますが、うさぎの群れが通って道になったとの言われから、古くには「莵道」を「うじ」と呼んでいました。
菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)が道に迷ったところを兎が、何度も振り返りながらこの地への正しい道案内をしたの逸話もあります。
そのため、宇治上神社には「うさぎ」のおみくじやおまもり、宇治神社には「みかえり兎」があります。
宇治上神社と宇治神社の違い
平等院の鎮守として古くから崇められてきた宇治上神社ですが、初期の頃の詳細は不明です。
古くには、「宇治上神社」を「上社」「本宮」、宇治神社を「下社」「若宮」とは呼ぶものの、両方をあわせて「宇治明神」「宇治離宮社」とひとつの神社でした。江戸時代には「宇治離宮神宮」とも言われていました。
明治維新後に、「宇治上神社」と「宇治神社」とに分離し、近代社格制度では「宇治上神社」は「村社」、宇治神社は「府社」に昇格しました。
◉宇治上神社 公式サイト https://ujikamijinja.amebaownd.com/
お祭り・神事
- 1月15日 日待祭(ひまちさい)
- 5月1日〜5日 春季例大祭
家内安全や、その年の豊作を祈願。氏子区域の各町内会を神輿・鳳輦(ほうれん)が巡行し、5月1日の「神幸祭」で神社から槇島集会所へ運ばれ、5月5日の「還幸祭」で宇治上神社へお戻りになります。 - 6月1日 献茶祭
お茶の収穫に感謝し、茶業や茶文化の発展を祈願します。神社が世界遺産に登録された1996年から実施。宇治上神社の境内にある湧水「桐原水」で煎茶を入れる神事を行います。 - 9月1日 八朔祭(砂持ち)
拝殿前左右に、円錐状に盛られた「清めの砂」。毎年「八朔祭」に氏子によって奉納され、一年間神社を清めます。新年や大切な神事の際には、境内にこの砂を撒き、清めます。 - 10月14日 日待祭
- 12月15日 新嘗祭
宇治上神社への行き方・駐車場・開門時間
開門時間
07:00~16:30(完全閉門)
・早めに閉門することもあるようです
・授与所でのお守りや御朱印等は 09:00~15:50
アクセス情報
◆JR線「宇治駅」下車、徒歩10分
◆京阪電車「宇治駅」下車、徒歩5分
駐車場
駐車場はありますが、お参りの際にだけ利用してください。
✔ 停めたまま、他の神社等へ移動は厳禁です。
宇治上神社 近くのパワースポット
宇治上神社 近くおすすめの宿
宇治上神社周辺には、ホテル・旅館は少ないです。お祭りの時期などは取れない場合もありますのでご注意ください。
花やしき浮舟園
JR奈良線宇治駅より車で5分 京滋バイパス宇治東ICより約10分 宇治西ICより15分
世界遺産平等院鳳凰堂そばの料理旅館
全室から宇治川が一望
ホテルトレンドJR宇治駅前
JR宇治駅南口より徒歩3分
2020年10月オープン!
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京都市内のおすすめホテル
なお、宇治までは京都駅から電車で約1時間、500円程度で移動できます。京都市内のパワースポットを他にも回る場合には、京都市内に宿泊することをオススメします。
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